少額短期保険主要株主とは、少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であって、内閣総理大臣の承認を受けたものをいう。
少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になろうとする者または少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である会社その他の法人の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
保険業法第272条の31
主要株主基準値とは、総株主の議決権の20%をいう。
保険業法第2条第13項
ただし、会社の財務および営業または事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実が存在する以下の①から⑤のいずれかの要件に該当する者が当該会社の議決権の保有者である場合にあっては、総株主の議決権の15%をいう。
保険業法施行規則1条の2の4 /
財務諸表等規則第8条第6項第2号
議決権の保有割合 | 要件等 |
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20%以上 | 該当する全ての株主が該当 |
15%以上 20%未満 |
会社の財務および営業または事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実が存在する以下の①から⑤のいずれかの要件に該当する者が当該会社の議決権の保有者である場合
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※議決権の保有には、子会社等を通じた間接保有も含む。
※個人株主で 3 親等以内の合計議決権が 20%を超える場合も承認が必要。
次の各号に掲げる者は、それぞれ当該各号に定める数の少額短期保険業者の議決権の保有者とみなすものとする。保有しているとみなされる議決権の数が主要株主基準値以上となる者を、みなし主要株主という。
保険業法第2条の2第1項
保険業法第2条の2第1項 | ||
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第1号 | 法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めがあるものとする。 | 法人でない社団または財団の名義をもって保有される保険会社等の議決権の数 |
第2号 | 連結財務諸表提出会社(連結財務諸表規則第2条第1号)であって、その連結する会社に少額短期保険業者を含むもののうち、他の会社の計算書類等に連結される会社以外の会社(連結財務諸表規則第1条の5) | 当該会社の保有する少額短期保険業者の特定議決権(会社法の規定により、議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を除いたもの)の数に、その連結する会社等について、次①から③の区分に従い、それぞれ当該各号に定める当該少額短期保険業者の特定議決権の数を合算した数に係る特定議決権比率を当該少額短期保険業者の総株主の議決権の数に乗じて得た数とする。
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第3号 | 第2号の会社に連結されない会社等が会社等集団に属し、かつ、当該会社等集団が当該会社等集団に属する全部の会社等の保有する少額短期保険業者の議決権の数を合算した数主要株主基準値以上の数である会社等集団(以下「特定会社等集団」という)である場合において、当該特定会社等集団に属する会社等のうち、その会社等に係る議決権の過半数の保有者である会社等がない会社等 | 特定会社等集団が保有する議決権の合算数 |
第4号 | 特定会社等集団に属する会社等のうちに前号に掲げる会社等がない場合において、当該特定会社等集団に属する会社等のうちその貸借対照表上の資産の額が最も多い会社等 | 特定会社等集団が保有する議決権の合算数 |
第5号 | 個人がその議決権の過半数の所有者である会社等がそれぞれ保有する少額短期保険業者の議決権の数(当該会社等が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)を合算した数(当該個人が当該保険会社の株式の所有者である場合は、当該合算した数に当該個人が所有する当該保険会社の株式の数を加算した数。「合算議決権数」という。)が当該保険会社の総株主の議決権の20%以上の数である者 | 当該個人に係る合算株式数 |
第6号 | 少額短期保険業者の株式の所有者のうち、その保有する少額短期保険業者の議決権の数(当該株式の所有者が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)とその共同保有者の所有する少額短期保険業者の株式の数を合算した数(「共同保有議決権数」という)が少額短期保険業者の総株主の議決権の20%以上の数である者 | 共同所有株式数 |
第7号 | 前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める以下の者 | |
① 少額短期保険持株会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者(第1号を含み、同項第2号から第6号までに掲げる者を除く。) (保険業法施行規則第1条の7) | 保有する少額短期保険持株会社の議決権の数を、当該少額短期保険持株会社の総株主の議決権の数で除して得た数に当該少額短期保険持株会社の子会社である少額短期保険業者の総株主の議決権の数を乗じて得た数、または、当該者、当該少額短期保険持株会社および当該少額短期保険持株会社の子会社が保有する当該少額短期保険持株会社の子会社である少額短期保険業者の議決権の数を合算して得た数のうちいずれか少ない数 | |
② 第2号から第6号までの規定中「少額短期保険業者」を「少額短期保険持株会社」と読み替えて適用することとしたならば当該各号に掲げる者となる者(当該各号に掲げる者および前号に掲げる者を除く。)((保険業法施行規則第1条の7)) | 当該各号に定める議決権の数を当該議決権に係る株式を発行した少額短期保険持株会社の総株主の議決権の数で除して得た数に当該少額短期保険持株会社の子会社である少額短期保険業者の総株主の議決権の数を乗じて得た数、または、当該者、当該者の連結する会社等、当該者に係る会社等集団に属する会社等、当該者の合算議決権数を計算する場合においてその保有する議決権を合算もしくは加算する会社等もしくは個人もしくは当該者の共同保有者、当該少額短期保険持株会社等および当該少額短期保険持株会社等の子会社等が保有する当該少額短期保険持株会社の子会社である少額短期保険業者の議決権の数をそれぞれ合算して得た数のうちいずれか少ない数 |
少額短期保険主要株主の承認申請の標準処理期間は30日ではあるが、主要株主およびみなし主要株主の範囲の確認や、申請書類の事前ドラフトチェック等の事前審査の期間も合わせると、かなり早い段階で申請を準備する必要がある。
主要株主およびみなし主要株主の範囲等の確認のための事前提出資料は以下のとおり。
保険業法の主要株主関連条文 | 該当性の判断 |
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保険業法第二条 13 この法律において「主要株主基準値」とは、総株主の議決権の百分の二十(会社の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実が存在するものとして内閣府令で定める要件に該当する者が当該会社の議決権の保有者である場合にあっては、百分の十五)をいう。 保険業法 第二百七十二条の三十一 |
(※)左記は「少額短期保険主要株主(みなしではない)」に関する定義である。 □該当しない |
保険業法 第二条の二 次の各号に掲げる者は、それぞれ当該各号に定める数の保険会社等(保険会社又は少額短期保険業者をいう。以下同じ。)の議決権の保有者とみなして、第二編第十一章第一節及び第二節、第十二章並びに第十三章、第五編並びに第六編の規定を適用する。 |
(※)保険業法第一二章少額短期保険業者の特例における少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の 保有者の判定に際して、議決権の保有者とみなされる者が定められている。 |
保険業法 第二条の二 (内閣府令)保険業法施行規則 第一条の四 連結財務諸表規則 第二条第一項 |
(※)法人でない団体に関する規定である □該当する( )□該当しない |
保険業法 第二条の二 (内閣府令)保険業法施行規則 第一条の六 |
(※)会社等集団とは次の集団をいう。
□該当しない |
保険業法 第二条の二 四 特定会社等集団に属する会社等のうちに前号に掲げる会社等がない場合において、当該特定会社等集団に属する会社等のうちその貸借対照表上の資産の額が最も多い会社等 当該特定会社等集団に係る会社等集団保有議決権数 |
(※)みなし主要株主を含む会社等集団 □該当する( )□該当しない |
保険業法 第二条の二 五 保険会社等の議決権の保有者である会社等(第二号から前号までに掲げる者を含む。以下この号において同じ。)に係る議決権の過半数の保有者である個人のうち、当該個人がその議決権の過半数の保有者である会社等がそれぞれ保有する一の保険会社等の議決権の数(当該会社等が前各号に掲げる者であるときは、 それぞれ当該各号に定める数)を合算した数(当該個人が当該保険会社等の議決権の保有者である場合にあっては、当該合算した数に当該個人が保有する当該保険会社等の議決権の数を加算した数。以下この号において「合算議決権数」という。)が当該保険会社等の総株主の議決権の百分の二十以上の数である者 当該個人に係る合算議決権数 |
(※)保険会社等の議決権の保有者である会社等に係る議決権の過半数の保有者である個人はいない。 □該当する( )□該当しない |
保険業法 第二条の二 六 保険会社等の議決権の保有者(前各号に掲げる者を含む。以下この号において同じ。)のうち、その保有する当該保険会社等の議決権の数(当該議決権の保有者が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)とその共同保有者(保険会社等の議決権の保有者が、当該保険会社等の議決権の他 の保有者(前各号に掲げる者を含む。) と共同して当該議決権に係る株式を取得し、若しくは譲渡し、又は当該保険会社等の株主としての議決権その他の権利を行使することを合意している場合における当該他の保有者(当該議決権の保有者が第二号に掲げる会社である場合においては当該会社の計算書類その他の 書類に連結される会社等を、当該議決権の保有者が第三号又は第四号に掲げる会社等である場合においては当該会社 等が属する会社等集団に属する当該会社等以外の会社等を、当該議決権の保有者が前号に掲げる個人である場合においては当該個人がその議決権の過半数の保有者である会社等を除き、当該議決権の 保有者と政令で定める特別な関係を有する者を含む。)をいう。)の保有する当該保険会社等の議決権の数(当該共同保有者が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数) を合算した数(以下この号において「共同保有議決権数」という。)が当該保険会社等の総株主の議決権の百分の二十以上 の数である者 共同保有議決権数 |
(※)少額短期保険業者の株式の共同保有者 □該当する( )□該当しない |
保険業法 第二条の二 七 前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者 保険会社等に対する実質的な影響力を表すものとして内閣府令で定めるところにより計算される数 |
□該当する( ) □該当しない |
(※)保険業法において単に「議決権の保有者」とあるとき間接的な議決権保有者を含めない。
申請者が会社その他の法人である場合 保険業法第272条の33第1項第1号ハ |
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① 保険業、外国保険業や特定法人の免許もしくは少額短期保険業、特定保険募集人や保険仲立人の登録を取り消された場合、または保険業法に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の免許もしくは登録(当該免許または登録に類する許可その他の行政処分を含む)を取り消された場合において、その取消しの日から5年を経過しない者 |
② 保険業法、出資法またはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む)に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 保険業法第272条の4第1項第8号 |
③ 役員のうちに、以下の(ア)から(ウ)のいずれかに該当する者のある者 保険業法施行規則第211条の73の2第1項
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申請者が個人の場合 保険業法第272条の33第1項第1号ハ |
① 成年被後見人もしくは被保佐人または外国の法令上これと同様に取り扱われている者であって、その法定代理人が以下の(ア)または(イ)のいずれかに該当する者
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② 精神の機能の障害により株主の権利を適切に行使するに当たって必要な認知、判断および意思疎通を適切に行うことができない者 保険業法施行規則第211条の73の2第2項 |
保険業法施行規則第211条の72第3項第1号 | |
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イ | 理由書 |
ロ |
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ハ | 当該承認後に当該少額短期保険業者との間に有することを予定する人事、資金、技術、取引等における関係および当該関係に係る方針 |
保険業法施行規則第211条の72第3項第2号 | |
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イ | (1)理由書 |
(2)当該承認後に当該少額短期保険業者との間に有することを予定する人事、資金、技術、取引等における関係および当該関係に係る方針 | |
ロ | (1)当該者の氏名、住所または居所および職業を記載した書面 |
(2)住所の地図 | |
ハ | 当該者の最近における財産の状況を知ることができる書面 |
ニ | その保有する当該少額短期保険業者の議決権の数および当該承認後に取得または保有しようとする当該少額短期保険業者の議決権の数を記載した書面 |
ホ | 当該者が総株主または総出資者の議決権の20/100以上の数の議決権を保有する法人の名称、主たる営業所または事務所の位置および業務の内容を記載した書面 |
保険業法施行規則第211条の72第3項第1号 | |
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イ | 理由書 |
ロ |
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ハ | 当該設立後に当該少額短期保険業者との間に有することを予定する人事、資金、技術、取引等における関係および当該関係に係る方針 |
少額短期保険主要株主は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
保険業法272条の42第2項
少額短期保険持株会社とは、少額短期保険業者を子会社とする持株会社であって、内閣総理大臣の承認を受けものをいう。
保険業法第272条の37第2項
持株会社とは、子会社の株式の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の当該会社の総資産の額に対する割合が50%を超える会社をいう。
私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律第9条第4項第1項
少額短期保険業者を子会社とする持株会社になろうとする会社または少額短期保険業者を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
保険業法第272条の35
なお、少額短期保険持株会社が、保険会社を子会社とすることにより保険持株会社になろうとする場合または保険持株会社である場合には、保険持株会社の規定が適用される。
保険業法第272条の39第5項
また、少額短期保険持株会社が、銀行もしくは長期信用銀行を子会社とすることにより銀行持株会社もしくは長期信用銀行持株会社になろうとする場合または銀行持株会社もしくは長期信用銀行持株会社である場合には、銀行法または長期信用銀行法の相当規定が適用される。
保険業法第272条の39第6項
承認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した承認申請書(保険業法施行規則別紙様式第16号の23)を内閣総理大臣に提出しなければならない。
保険業法第272条の36
内閣総理大臣は、承認の申請があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを承認しなければならない。
保険業法第272条の37
少額短期保険持株会社は、当該少額短期保険持株会社の属する少額短期保険持株会社グループの経営管理およびこれに附帯する業務以外の他の業務を営むことができない。
保険業法第272条の38第2項
経営管理とは、次に掲げるものをいう。
保険業法第272条の38第4項
少額短期保険持株会社、当該少額短期保険持株会社の少額短期保険持株会社グループに属する2以上の会社に共通する業務であって、当該業務を当該少額短期保険持株会社において行うことが当該少額短期保険持株会社グループの業務の一体的かつ効率的な運営に資するものとして以下の業務を、当該2以上の会社に代わって行うことができる。
保険業法第272条の38の2第1項
少額短期保険持株会社は、2以上の会社の共通業務を行おうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。ただし、上記③から⑩までの軽易な業務については、この限りでない。
保険業法第272条の38の2第2項 /
保険業法施行規則第211条の77の3第2項
少額短期保険持株会社は、次に掲げる会社以外の会社を子会社としようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
保険業法第272条の39第1項
承認申請書の様式は、少額短期保険業者向けの監督指針別紙様式Ⅳ−27を使用する。
内閣総理大臣は、第1項の承認の申請があったときは、当該申請に係る会社が行い、または行おうとする業務の内容が、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを承認しなければならない。
保険業法第272条の39第3項
少額短期保険持株会社は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
保険業法272条の42第2項
その他の各項目に関する規制は以下よりご覧いただけます。